好調の会計事務所

売り手は利息の10円を銀行に返済しなければならないのだが、そのお金は買い手から得た20円のプレミアムから支払うほかない。
最終的には手元に10円が残るのである。 株価が50円に下落した場合はどうであろうか。
買い手は50円の価値しかないものに、わざわざ100円出すはずがない。 オプションは行使されないのである。
売り手はあらかじめ株式を購入しているから、行使されないと手元に株式の現物を抱え込むことになる。 持っていても仕方がないので市場で売ることになる。
100円で買った株を50円で売却して50円の損失が発生する。 売却代金の50円に自腹をきって50円を加えた100円の元本と、10円の利息を銀行に返済することになる。
手元には20円のプレミアムしか収入として入ってこないのに、自腹の50円と利息の10円の合計60円を支払っているので赤字は40円である。 株価が150円になった場合には10円の利益が出て、株価が50円に下落した場合には40円の赤字が出るということがわかった。
両方の事象が起こる確率は50%ずつだから、売り手が期待しうる利益は、10円の50%の5円と、-40円の50%の-20円を合計した−15円ということになる。 売り手は、この取引を行うことにより15円の赤字を出してしまうのだ。

これでは裁定取引ではない。 非常事態である。
至急、改善策を講じなければならないのだが、その前に「借金を減らすパターン」を考察してみよう。 プレミアムで借金を減らしたら……コールオプションの条件はプレミアム以外まったく同じである。
ここではプレミアムを30円にする。 そして、プレミアムを株式購入費用の一部とする。
オプションの売り手は株式を購入するために100円を用意するのだが、30円はプレミアムとして持っているので、残りの70円を銀行から借りてくる必要がある。 1年後に株価が150円になったとしよう。
オプションは行使される。 売り手は100円を受け取り株を手渡す。
銀行は元本の70円と利息の7円の返済を迫ってくる。 仕方がないので、買い手から受け取った100円から銀行への返済金を充てる。

その結果、手元には23円が残る。 株価が50円に値下がりしたらどうであろうか。
オプションは当然のことながら行使されない。

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